文芸ポップス

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文芸作品を楽しむブログです。

【文学】チェーホフについての走り書き

アントン・パーブロヴィチ・チェーホフ

・ロシア人作家

・小説家(短編メイン)、劇作家

・19世紀の終わりから20世紀初頭に活躍

 

作風

 全体を漂う悲壮感。ある程度の地位を持っている(持っていた)人々、相対的に見て不幸であるとは言えない境遇の人々が、常に不幸な状況にある。その不幸を嘆きながらも、現状を生きていくしかない、という悲哀を抱いた人物の造形が得意。

 

斜陽と桜の園

 日本において『斜陽』と『桜の園』の類似を指摘した論考が目立つが、これは『斜陽』に見られる「デカダンス属領化を扇動する要素」が『桜の園』には見られないとの指摘(中村三春1999)もある通り、枠組みだけを見て比較するのは危険。

2015年にも同氏によって比較がなされているので、参照したいところ。

CiNii 論文 -  「斜陽」と「桜の園」 (作品とその生成要素 「惜別」から「人間失格」まで)

 

キモくて金のないもてないおっさん

 ネットスラングである上記の言葉にあてはまる男性が、チェーホフ作品には散見。以下の記事が面白い。上記『桜の園』のトロフィーモフとか、ガーエフとかもそうですね。

wezz-y.com

 

チェーホフの可能性

 チェーホフ作品の登場人物はみな、なにかしら困ってます。困ってるけど、あきらめるしかない、という状況にあります。精読していくと、現代社会を生きる我々がより最適に生きていける方法が、見えてくる、かもしれませんね。

 

〈完〉