【音楽】Mili-異世界異次元音楽集団
はじめに―Mili
みなさん、Miliをご存知でしょうか。
知る人ぞ知る音楽集団、Mili。今回は彼らについて書いていきたいと思います。
※最新作!
音楽集団としてのMili
Miliは作曲&ギターのYamato Kasai(G)、トリリンガル(3 ヶ国語)で作詞を担当するカナダ人ボーカリストのmomocashew(モモカシュー)(Vo)、Yukihito Mitomo(B)、Shoto Yoshida(Dr)、スタイリスト兼デザインのグッズなどを担当するAmeYamaguchi(Stylist, Art Director,Designer)、MVの作画、アニメーションなどを手掛けるAo Fujimori(Illustrator, Animator)の6 名から構成される音楽制作ユニットであります。
Mili結成
Miliの結成、活動の経歴は極めて異例のものとなっています。元々はYamato Kasai が制作した楽曲をmomocashewが「歌ってみた」動画としてアップロードしていたことがきっかけとのこと。結成当時、ボーカリストを探していたYamato Kasaiはアップされた曲を聴き、momocashewの声に魅了されて声をかけたそうです。しかし、momocashewはカナダ在住のカナダ人。ここが、Miliが国境を越えた活躍をするに至った最初のポイントです。
ウェブ上でのやり取りを重ねていく中で、momocashewの日本来日が決定します。それを期に、Yamato Kasai のバンド仲間であるYukihito MitomoとShoto Yoshidaの2人が加わり、バンドの形式となる。
それに加え、Miliを視覚的に表現していくために、Ame Yamaguchi 、Ao Fujimoriの両人が加入したのであります。Miliの公式において彼らは、自らを「世界基準の音楽集団」と称していますが、「視覚」や「言語」に囚われない広範な音楽を、彼らは作り出しているのです。
以下、簡単に楽曲の紹介を。
camelia
「camelia」はMili の 3rd Album 『Millennium Mother』に収録された一曲です。You tube上にアップロードされた本曲は8カ月で185万をも超える再生回数を記録しています。コメント欄には英語や日本語はもちろん、ハングル語での掲載も目立っています。彼らの活動基準が「世界」にあることを物語っているといえるでしょう。
ピアノの美しくも儚げな旋律からはじまる本曲は、アコーディオンにヴァイオリン、コントラバス等による重奏音楽であります。その楽曲はクラシックをも彷彿とさせます。しかしそれでいながら、momocashewの”声”という楽器の奏でる旋律はポップで聴きやすく、キャッチ―なメロディに仕上がっています。クラシックをポップスに落とし込もうとする、コンポーザーYamato Kasaiの意欲がうかがえる一曲です。音楽のジャンルを横断してファンを獲得し得る名曲といえるでしょう。
楽曲のあまりのクオリティの高さに歌詞に耳のいかない人も多いと思いますが、極めてメッセージ性の高い詩的な歌詞となっています。2番の歌詞は
私は引き金を引いた
バンバン
けれど映画とは違って
拳銃は大声で鳴いた
の一節ではじまり、
殺された豚は誰も気にしないが
感じた痛みだけは消せないわ
と続く。人の心の機微を見事に捉えた一節です。
音楽から歌詞の細部に至るまで細かに制作されていることこそ、Mili人気の秘訣でしょう。
〇RTRT
「RTRT」はMiliの2nd Full Album 「Miracle Milk」に収録された一曲です。前述した「camelia」は8カ月で185万を超える再生回数を記録していますが、2016年10月に公開された「RTRT」のMVは2018年11月の段階で365万もの再生回数を記録しています。
オリエンタリズムの感じられる大陸的なサウンドに加えて、曲の背後には中国の食卓を彷彿とさせるAo Fujimoriのイラストが描かれています。「camelia」とはまた違った曲調、雰囲気を持ち合わせた一曲となっていますね。
80年代の日本テクノ音楽を想起させるシンセサイザーと4つ打ちのドラミングからはじまる本曲は、メロディの面も加えて非常にポップな曲に仕上がっています。
おわりに
今回、miliの楽曲を2曲ほど紹介しました。彼らは、2018年度のフジロックフェスタへの出演も果たしました。国境を越えた彼音楽は、世界中から集まるミュージシャンの中で、どのように聴こえたのでしょうね。
Miliの楽曲は、まさに「音楽」というジャンルに相応しい、自由で壁のない作品となっています。誰の耳にも刺さりうる、彼らの音楽を是非にも体感してもらいたいところです。
来年もまた、多くのファンを獲得していくのでしょう。
ではでは。